■弱法師■よろぼし
能の演目のイメージ絵です。
シテ(主役)の俊徳丸は、家を追われ乞食と成り果て、悲しみのあまり盲目となり寺の施しで生き抜いている青年。
よろめき歩くので、よろよろのよろぼし、と周囲から名づけられ嘲笑されています。
しかし嘲りの意を込めて付けた名だとしても「よろぼし」だなんてかっこいいあだ名を付けるものですな。。
能というと衣装美!なので、ちっとも乞食には見えませんが(笑)。
演じる側には気の抜けない演目だと思います。きっとこの面には鼻しか穴が開いてないのでは…。
この曲の、俊徳丸と父の、あまりにも似ている不器用さに、愛をすごく感じます。
不幸な息子となると、なんとなく母の出番かと思いきやここでは父。しかも、とても不器用な…。
だからこそ、なんともいえないもどかしさ、気恥ずかしさ、父と分かった瞬間逃げ出す俊徳丸なんか、愛しくてたまりません。
しかし俊徳丸に当初の設定では妻がツレとしていた、と知ってショックでした。妻いちゃダメだろ…!
そんなのちっとも不幸じゃない、生活が不幸なだけだよ。そして私も失恋だよ(それはどうでもいいよ)
妻がいる時点で俊徳丸の中では一つの問題が解決してしまっていて、お話にならん。と思う。
そしてそんなツレがいたのならあの父は声をかけなかったのではないかと思う。
一体いつツレが廃止されたのかは知りませんが、作者の元雅さんが直してくれたのだったら嬉しいな。
あと、よろぼしの面は専用面ですが何種類も表情があるみたいですね。
苦渋に満ちた面の多い中、なんとも穏やかな表情の弱法師面をネットで見た時からそれで弱法師を見たいと思ってて
実際見たのがビンゴのその表情の面だったのでかなり嬉しかった。
このおだやかな表情に、悲しみも苦しみも何もかも閉じ込めて、それでも梅の香りに思いを寄せ、かつて見えていた
美しい光景を心の中で蘇らせる事もできる自然を愛する感性がつまっている、とそう思うのです。
その光景を心で見、狂う場面がとても好きです。人につまづく表現がなんとも哀れでした…