わが家の犬は世界一 ----★
この日本語タイトルに全然惹かれなくてダルダルで観ていたけどこれが最高にツボる映画だと分かるまでそう時間はかからなかった。
中国では犬を飼うのに「登録」をせねばならない。昔は犬は金持ちが飼うものだったらしいです、言い換えれば金持ちしか飼えないんだろう。だから、登録料が払えない庶民はこっそり飼う。見つかると犬は没収されてしまう。すごくリアルな中国が見えて、本当に面白いです。特に裕福ではない一般家庭が、登録されていない犬を持つことでどうなるか。そしてその犬が警察に見つかってしまったら。というと暗そうだけど、ユーモアがあってすごく笑えます。しぐさがいちいち可笑しいんだ!理想の笑いです。笑える、というより可笑しい。これ重要。中国の灰色が映画全体に流れていて美しいです。犬がまたすごくいい。中国の絵画から飛び出してきたような犬だ!中国の背景がぴったりな本当に素敵な犬だ、カーラ!舞台は北京。胡同と呼ばれる路地にまみれた庶民街にはモチロンときめかずにはいられません。北京オリンピックのために、これら胡同は次々と壊され開拓されちゃってるらしいじゃないですか。中国もわざとらしく古い町並みが一角に残されただけの日本みたいになっちゃうのは悲しいものがあるな。壊される前に行ってみたかった。壊されたといったら九龍城もねー、入る勇気はないけど。
このDVDについてる監督インタビューにすごく感動してしまいました。この人、今現在の中国の数年先を歩いているような人なんだろうと思う。庶民の生活が撮りたい、街並みが撮りたい、だなんて、これからどんどん近代化していくかもしれない北京の未来にいつかとても必要とされる映画じゃないかと思う。エンターテインメントだけが映画じゃなくて、記録するとか、訴えるとか、ありのままを撮ることに意味を感じている監督さんというのは私にとってもとてもありがたい存在です。
物語は淡々とすぎていきます。お父さんの行動がほんとうに無駄で可笑しいんだ。でもそれがすごくリアル。わかるわかる、どうせ上手くいかないんだよね〜。この映画のテーマがなんなのかは監督が自らの言葉で教えてくれます。すごくすごく感動しました。こういう監督さんのこういう映画がもっと注目される世の中になればいいのになあ。