パリ空港の人々 ----■
パリのシャルルドゴール空港にて旅券を盗まれ空港に数日足止めを食らうハメになってしまった人の話。そこで、各々の事情で無国籍状態で空港に住み着いている人々と出会う…。
こういう人本当にいるんですね、びっくりしました。私達と同じように生きている人なのに、彼らは世界と世界の狭間にいる…、なんだか不思議で非現実的な現実があるんだな。しかしやっぱり外国の空港って怖いな…。日本だったら空港の従業員が慌ててアレコレしてくれるだろうに…。
空港に住み着く人々がどこか可笑しくて、悲観的でもなくでも開き直ってるってわけでもなくて、面白いです。主人公アルチェロの奥さんが好きですね。激しくて。フランスよ…(笑)。ギャンギャン言い合いしたって、終始肌身離さず持ってる赤いプレゼントの箱が、愛なんだなぁ〜。いい。
空港に住み着く少年ゾラがすごくいい。彼にとっての空港は庭。一般人が決して入る事の出来ないところにするする入ってったり(工場とか好きな人にはたまらないんだこれが。悶えた!)、当たり前のように普通の空港内も歩いてて、でもちゃんとトランジットのとこに帰ってきて。大きな事件なんて起きずに、ちょっとしたすれ違いとか、愛とか、ありえない狩りとか、可笑しいシーンが絶妙の加減で入ってます。ゾラが「靴を探してあげるよ」っていって、持ってきたのが空港従業員用の黄色い長靴なのとか笑えました。しかもスーツにそれはいた姿が可笑しくていい。
アルチェロがいとおしい様にテーブルの上にあるコップやマドレーヌで作った「パリの街」、これがすごく感動的でした。すぐ近くにあるのに、そこにいる彼らにとっては遠い外国なんだ。パリの夜のきらめきは一生忘れないだろう。片付けられないテーブルの上のパリが、とても愛しい。国境がない場所で、「外国人」同士ではなく「人間」同士のふれあいがある、それがあまりにも自然なので、それが不思議だと思う、でもそう感じる自分も不思議みたいな、不思議。
93年作と意外と昔の作品なんですが、最近雑誌で見かけて久しぶりに「観たい!」と楽しみにしていた映画でした。