霧の中の風景 ----★
2番目に見たアンゲロプロス監督の映画。会ったこともない父を探しにドイツへ行こうとする姉弟の旅。テオ監督の映画に出てくる子供は、みんな大人だなあ。そして、夢の中の風景のような。綺麗すぎる。でも奇麗事なんてひとつもない。
駅に毎日通い、汽車を見つめるだけの日々も永遠だったんだろう。だから、飛び乗ったあの日はもうひとつの人生を手に入れた瞬間だったんだ。「乗っちゃった!」と抱き合う2人が印象的。電車の中での、姉ヴーラの「木の葉のように旅をしています」「汽車の音に応えてください  タタン…タタン…」という言葉が好き。父のことは割と序盤に分かるのだけど、でも旅を続けた2人。様々な心の出会いが、2人を包む。オレステスは2人の心の支えだったよね。約束などしてないのに再会するのが嬉しかった。ヴーラはひたすら辛かった。どんどん辛かった…。でも旅はやめなかった。見えない父に助けを求めていたのかもしれない。ラストは、ただ、寂しかった。
特に好きなシーンは、アレクサンドロスが出歩くとこ。何気なく入ったお店で、バイオリン弾きのおじいさんが演奏するシーンは寒気がするほどすてき!オレステス兄さんの「ぼくはかたつむり ただはってるだけ」というセリフも好きでした。ラスト、霧の中で見えたものにしがみつく2人…泣けた。