ある子供 ----■
どこまでも静かで淡々としてるのに、この監督さんの映画は観やすいなぁ。なんでだろう。終わり方がいつもすごい切り方ですよね…。
若い夫婦。ブリュノは父親としての実感が全くない。でもソニアは、赤ちゃんを産んだことで精神面でも「母親」らしく変わっていて。私は女だしブリュノには全く共感できませんが、男の人だとどこか「わかるなぁ」ってのはあるかもしれませんね。でもブリュノはあまりにも子供っぽすぎた。いつまでも彼女とじゃれてたい子供のまんま。自分が子供だってことに気づいてる人ならまだしも、この人は盗品を売ったり裏の人間と通じてたりしてて、きっと自分の事をほかの同年の人より大人なことしてる、と思って育ってきたんだろう。自分が大人だと勘違いして。そんなだから、彼女がなんで卒倒しちゃうのかもわからない、何が悪い事なのかもよく分からない。本当にちっちゃい子供みたい。そのまま大人になっちゃったんだ。子供を売っちゃうだなんて最低の極みですが、ブリュノが精神的にとことん子供なのがニクイなぁ、と思いました。私は子供っていう被写体が本当に好きなんですよね…、いい子だけでなく、どんなにお馬鹿な子でも、愛しく思ってしまう。(子供限定ですがね!)ブリュノは中身がそんなだったので、愛しいとは思わないけど、突き放す事ができないまま見ていました。
ソニアに家から追い出されて、一体自分のしたことがどのくらい酷いことなのか考えてたと思います。「これってそこまで最低なことだったんだ…?」くらいは思ってそうだ。(これでも成人した人間としてどうかと思うが)。でも何がいけねーんだよとか逆上してソニアを傷つける人じゃないところが、憎めない。ブリュノのしてる事はどれもこれも最低で大バカ野郎なんだけど、見ててだんだんかわいそうになってきてしまった。なんて情けないんだ。でもそのみじめな思いを乗り越えなければならないんだ、この人は。大人ぶってるスティーブとブリュノは良く似てます。スティーブはとうとう泣き出してしまった。なんてちっちゃい子供に見えたことか…。それと同じ印象を受けたのが、ラストシーンでした。ソニアが大人でよかった。ブリュノも、ソニアを見て成長するといい、と思った。そしてジミーを改めて愛してあげて。